全学メールサービスの利用動向について
久保田 真一郎,島本 勝,辻 一隆,木田 健,杉谷 賢一
総合情報基盤センター
はじめに
熊本大学総合情報基盤センターでは,
部局で管理されるメールサービスとは別に,
全学で共用するメールサービス「全学メールサービス」をこれまで行ってきた.
この報告では,
老朽化と利用者数増加を原因に2006年7月より新サーバにて運用を再開した
全学メールサービスの2007年度の運用状況について報告する.
2007年3月31日時点のアカウント数は1,233
であり,昨年度末より538人,利用者数が増加している.
これは医学部の部局メールサーバの停止により,
この全学メールサービスの利用者数が急増したためである.
利用者の増加により,メールサーバ運用の
重要性も日に日に増している.最近では,医学部に限らず,
メールサーバを管理・運用する人材の不足により,
部局のユーザがこの全学メールサービスを利用するケースが増加しいてる.
運用側の責任もその数に比例して増加する.
多くのメールサービスにおいて,
スパムメール対策とウイルス対策はいまや常識となっている.
熊本大学の全学メールサーバでは,スパムメール対策として
SpamAssassinとPostgreyによる対策を行っている.
また,ウイルスゲートウェイとなるAMaViSと
SophosAntiVirusを用いてメールを対象としたウイルス対策を行っている.
全学メールサービスの運用について
利用者向けに,申請書
やメールクライアントの設定方法に関するマニュアルなどを
熊本大学総合情報基盤センターのホームページで公開している.
利用方法の一部に全学メールサーバに対して行っている
スパム対策やウイルス対策についても解説をつけており,
利用者の理解が得られるよう努めている.
スパム対策とウイルス対策の効果
2007年度の稼動時に,
正常と判断されたメールとスパムメールと判断されたメールの件数を
図1に,
ウイルス付きと判断されたメールとメールのヘッダ部に異常と
判断されたメールの件数を
図2に示す.
ウイルスと判定されるメールの数が減少傾向にある中で,
スパムと判断されるメールの数が単調増加している.また,
図1と図2の縦軸のスケールを
比較して分かるように,
コンピュータウイルスによる脅威よりも
スパムメールによる問題が大きくなっていることがわかる.
この傾向に対して今後もスパムメール対策は必要と考えるが,
現在行っている対策によりすべてがフィルタできているわけではないため,
今後の技術動向にも注目し,運用する必要があると考えている.
図:
2007年度全学メールサーバにおけるスパムと判断されたメールの件数
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図:
2007年度全学メールサーバにおけるウイルス付きと判断されたメールの件数
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