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Web履修管理ツール

上記データベースの構築に伴い、学習支援に必要なSOSEKIの履修情報に関して、 共有とそのための管理を行うことが可能となった。ここでは、講義科目や受講 者に関する管理ツールをWebアプリケーションとして開発した。

本ツールでは、図5に示すように、HQLに沿ったデータベースからの データ抽出、IMS形式出力ファイル(講義と履修者情報、登録者情報、クロスリ スト情報)の生成、ユーザ毎の時間割表示とそこからのLMSアクセス機 能、LMSとの定期同期機能等を実現した。詳細は、[10]を参照され たい。

図 5: Web履修管理ツールの全体構造
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機能の一部、科目と受講者情報の管理(図6)とクロスリストIMSの力 出(図7)を紹介する。

科目と受講者情報に関しては、データベース上の4つのテーブルを組み合わせ たHQLによる詳細な問い合わせが可能で、その結果として抽出された講義科目の 諸情報がブラウザに表として出力される。表中の科目コードをクリックすると、 図6に示すように、抽出された講義の担当教員と受講学生の情報が 表として示され、ユーザIDから、そのユーザの時間割へもリンクしてい る。HQLによる問い合わせ文が少し難しいが、複雑な検索も可能であり、オンラ インヘルプも用意している。

図 6: 科目と受講者情報の管理
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クロスリスト科目とは、同一内容で、幾つかの講義を実施することを可能にす るために、コンテンツは共有し、ユーザ情報は別々にすることができる科目形 式である。面接授業で、異なる教室や時間帯に行う講義を、同一内容で実施す る場合等が該当する。

7に、クロスリスト科目に関するIMS生成のWeb画面を示す。ここ でも、データベースへの問い合わせ、抽出がHQLで行え、その結果、 図7のXMLのような出力を得ることができる。

新しく親コースのようなものを作成したり、面倒な作業を、本ツールを用いる ことで、データベースと連携して容易に作成することができる。実際に年度初 めの時期には全学から多くの依頼を受けている。

図 7: クロスリストIMSの出力
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熊本大学総合情報基盤センター 中野 裕司   2008年9月17日(水)