前: Web時間割 | 上: 運用2年目を向かえた熊本大学ポータルの 安定運用と機能強化への取り組み | 次: まとめ |
現在、大学等で利用されているWebサービスは、学務情報システム、LMS、eポー トフォリオ、CALL、電子図書館、各種連絡・手続き等、多岐に渡り、またサー ビスによっては複数利用される場合もある。また、それらは年々増加してる。 解決には、ここで紹介している熊本大学ポータルような、SSOとポータルが決め 手と思われるが、大学等のポータルは、全般的「大学ポータル」と、学習サポー トを中心とした「学習ポータル」に分けて考えられると思う。
ここでは、今後の熊本大学ポータルの展開を視野にいれ、この2つのポータルに 関して、両者の関係に関して、両立なのか、一方で吸収なのか等を、これまで の我々の経験と、uPortal、Sakai(ここでは学習ポータルの一候補として考え ている)に関する調査に基づいて検討する。詳細は、[22]を参照さ れたい。
ここでは、uPortalを大学ポータル、Sakaiを学習ポータルの側面からとらえ、 調査を行った。
図9,10,11は、uPortalとSakaiの サイトが公表している、各々を現在運用中と申告(任意)のあった機関 の2008年7月末時点の情報を整理したものである[23,24]。 申告ベースなので、実数は数倍、数十倍かも不明だが、分布等は目安となるで あろう。
図9から、両者とも、約6割が北米、3割前後がヨーロッパの利 用である。国際化されているにも関わらずである。これは、日本の高等教育機 関の情報化が遅れていることの現れでもあろうが、なぜ、これらの地域で利用 が進んでいるのか考える必要もあろう。実際IT系スタッフの数や組織としての 管理運営体制と、どのような理由で選択したかをについて調査し、適切な導入 を計る必要があろう。
図10より、導入機関のユーザ数は、uPortalは1〜3万人規 模、Sakaiが1万人以下が中心で、Sakaiの方が少ないが、逆に10万越の機関もあ る。このことから、本学の規模(学生・教職員を合わせて1.5万人弱)では、どち らでも運用可能であろうことが予想される。
図11は連携するSSOで、両者とも半数以上の機関がSSO連携をして いる。CASが多いのは、開発者に重複が多いからかもしれない。何れにせよ、今 後のSSOの動向を監視し、CASのみの対応でよいかも含めて検討が必要であろう。
熊本大学総合情報基盤センター 中野 裕司 2008年9月17日(水) |